死ぬこと以外かすり傷!元・不登校生のdiary

気になった事について、まとめ・解説記事を作成します。

東野圭吾『変身』を読んで

変身 (講談社文庫)

変身 (講談社文庫)


東野圭吾さんの数ある中の作品の1つ
『変身』
を読んでみた。

ネタバレあり。
これから読みたいという方はお控えください。








主人公の脳に、世界初の脳移植が行われた。
最初は問題なく過ごせていた主人公だが、
徐々に妙な変化を感じ始める。

自分ではない『誰か』が身体の中にいる。

段々と変わっていく自分に戸惑いながらも、
変化に抗うことのできない主人公。
どうする事もできない主人公は、移植された
脳の持ち主を突き止める。


最後に残るのは他でもない自分か。

それとも、脳の持ち主か。





まず、この本を読む時のポイントの1つとしては

『主人公が脳の持ち主へと変化する過程』

が挙げられるだろう。

文中の後半は、犯罪者からの視点でものが書
かれている部分が多くある。

段々と残虐なシーンも増えてくる。
目を塞ぎたくなるような光景が、描写されて
いる。



『二面性』



この本を読んでから1番に出てきた言葉はこ
れだった。
『変身』は極端な例かもしれないが


誰しも自分の内にもう1人の『誰か』がいる
のではないか


ということを示唆しているようにも思える。


また、テーマが脳移植ということで、生命倫
理に関わるメッセージが隠されているのでは
ないかと感じた。

実際に脳移植なんて行ってしまえば大変なこ
とになるが、現代の世の中と共通する点はあ
るだろう。

例えば、クローン。
科学技術の進歩により、クローン技術が発達
したことで、クローン人間という言葉が、
まことしやかに囁かれるようになった。

今回この本を読んで私は

『科学技術の進歩と人間の葛藤』

というメタメッセージを受け取った。

世界においても重大なテーマで、一概に良い
悪いを決めることが出来ないテーマだ。

しかし、学生のうちに読んでおくと、生命倫
理や犯罪心理への興味はより強くなるだろ
う。

ちなみにこの本は

生命倫理について考えたい
・犯罪心理に興味がある
・ダークな本が好き
・考えさせられるような本が好き
・刺激が強い描写も平気

という人にオススメだ。
気軽に読むというには、大きすぎるテーマか
もしれない。
私は、高校2年生でこの本を読み、衝撃をう
けた。
上記に当てはまる方には、是非読んで頂きた
いと思う。

変身 (講談社文庫)

変身 (講談社文庫)



ちなみに、東野圭吾さんの他の作品では、
マスカレード・ホテルもおススメ。
続編もありです。
今年は、木村拓哉さんが主演で映画化されま
す。
気になった方、是非読んでみて下さい。



マスカレード・ナイト

マスカレード・ナイト